アフラックは3月23日、「生きるためのがん保険Days1 ALL-in」を発売しました。
このがん保険は、今までのがん保険Days1が新しくなったわけではなく、「ALL-in」という別プランが派生した形になり、以前からの「Days1」は継続して販売されます。
この新しく選択できる「ALL-in」のプランですが、今までとどう違うのかおすすめできるがん保険なのか検証したいと思います。
新しくなっても10年更新を辞めないアフラックのがん保険。
結局は以前のがん保険Days1に「がん治療保障特約」が新しくできたことをアピールするために「ALL-in」というプラン名で出しているものです。
一つ特約ができたものにすぎません。
この「がん治療保障特約」は更新型の特約であるため、10年ごとに保険料が増加していきます。
男性の場合、特定払込免除特約付き基本プランの70歳での保険料は、月払い20000円を超えています。
若いうちに安く加入できるよう設定してありますが、高齢になれば払っていくには厳しい保険料になります。
なぜ、こうも10年更新特約にこだわっているのでしょうか?
アフラックとしては、抗がん剤治療が今後医療技術の発展により、情勢変化が考えられるため柔軟に対応できるよう10年更新にしているようですが、実際のところはどうなのでしょうか。
ブランド力があるため他社と価格競争に出なくても勝負できるので、独自路線で攻めている感じはあります。
がん保険料払込免除特約に関しても、「特定払込免除特約」としていて、「診断されただけ」では保険料の払い込みが免除されません。
新しくなってもどうもおすすめできるがん保険とは言えません。
既存のがん保険Days1と比較。
Days1にあった、手術治療給付金・放射線治療給付金・抗がん剤治療給付金・ホルモン剤治療給付金・緩和療養給付金・女性特定ケア給付金・乳房再建給付金の7種類が、ALL-inの「治療給付金」に集約され一つの特約となりました。
Days1では、「ホルモン剤治療給付金」は「抗がん剤治療給付金」の半分の保障額でしたが、ALL-inは同額の保障額になっています。
そのため全くの同条件の元で比較はできませんが、近い保障内容にした際の保険料は男性の場合、若いうちはALL-inの方が安くなりますが、50歳を過ぎた頃から逆転し、Days1よりALL-inの方が高くなります。
女性の場合は、20歳頃からすでにALL-inの方が保険料が高くなります。
これは、女性特有の病気の治療にホルモン剤治療が多いためで、男性も前立腺がんの治療が増える年代になると保険料が増加します。
女性の場合、ホルモン剤の治療にしっかり備えたい場合は「ALL-in」にする方がおすすめできます。
将来的なDays1との保険料の差額は、男性ほど大きな差にはなりません。
がん治療給付金について。
治療給付金はアフラックのALL-inでは主契約ではなく、「特約枠」です。
そのため治療給付金のみの契約はできず、入院給付金や通院給付金といった主契約に合わせて申し込みになります。
また、この治療給付金を取り外しての申し込みもできません。
これ1本を主軸として契約される場合は問題ありませんが、足りない保障として追加で加入するがん保険ではなさそうです。
ALL-inについて。
他社のがん保険では、この治療給付金はよくある保障の形ですが終身保障が多く、治療給付金特約が更新型の場合はがん保険自体も更新型です。
医療事情の変化に対応するための更新型としても、自由診療の抗がん剤は対象外であることは少し残念です。
また、更新後の期間の含めて通算60回(月)限度であるため、超長期治療には対応できていません。
ただ、保険は形がない商品ですので、安心できる保険というのはとても重要なことなので、深く検討することが苦手な人はブランド力のある保険会社ということも保障内容の一部なのかもしれません。
また、ALL-inに加入すると、「webセカンドオピニオンサービス」というサポートを受けることができます。
診療情報をアップロードし相談することで、がん専門医のセカンドオピニオンがレポートとして取得できるサービスです。
面談や電話でのやりとりでは難しい場合や、レポートを手元に欲しい場合など利用すると良さそうです。
Days1(ALL-in)の保障デメリットまとめ
- がん治療保障特約が10年更新。
- 高齢層の保険料が比較的高い。
- がん診断給付金は上皮内新生物の場合10%支払い。
- 診断給付金と特定診断給付金の2種類あり分かりにくい。
- 特定保険料払込免除特約は診断されただけでは免除にならない。

ALL-in保険料の目安
パンフレット記載の基本プラン(入院給付日額10000円・定額払い・特定保険料払込免除特約付き)月払い保険料は、
- 20歳男性 2244円
- 30歳男性 2984円
- 40歳男性 4505円
- 50歳男性 7508円
- 60歳男性 13393円
- 20歳女性 2264円
- 30歳女性 3255円
- 40歳女性 5289円
- 50歳女性 7081円
- 60歳女性 8731円
まとめ
この新しいアフラックのがん保険Days1 ALL-inは、高齢男性には保険料が高くおすすめできるとは言い難いですが、days1よりもホルモン剤治療の保障が強化されたため、女性には少しすすめやすくなったと思います。
どちらにしてもアフラックのがん保険は更新型の特約があるため、高齢になればとても高い保険料になります。
特に男性の保険料は後半の上り幅が大きく、年金が少なくなってきている今では家計をかなり圧迫しそうです。
悪いがん保険ではありませんが、数あるがん保険と比べると評価は低いかなと思います。
保障内容はしっかりしたがん保険ですので、最初から選択肢から外すことはせず、しっかり比較して検討頂ければと思います。