「誰もが安心して、ムリなく続けられる保障を。」
多くの方が加入している共済の医療保障ですが、将来保障の一部が減額されたり、満了となります。
この共済の医療保障をそのままで続けて大丈夫なのか。
新しくなった全労災の医療保障、「こくみん共済」について考察します。
こくみん共済はあくまで一時的保障
保障期間の満了があるこくみん共済は60歳までの一時的な保障と考えます。60歳以降も80歳、85歳、と続けられる保障もありますが、65歳以降はほぼおまけの保障にすぎません。
また、終身医療タイプもありますが、保険料も安くなく保障内容も普通です。
60歳以降もある程度の医療保障を希望される場合は、なるべく早く入り替えるべきでしょう。
もしくは、こくみん共済は上乗せと考え、保障が減額しない終身保障の医療保険に加入した方がいいと思います。
この共済一本で医療保障は安心とはなりません。
下記のようにお考えの方はそのままお続け頂いてもいいかと思います。
- 医療保険は基本的にいらないが、ただ全くないのは不安なので死亡保障もついているから加入する。
- 貯蓄ができるまで少しの保障がほしい。
- 割り戻し金がうれしい。実質保険料は安いと思う。
共済について
共済は、組合員の協同救済=相互扶助を制度化したもので、わかりやすく言いますと「助け合い」です。
共済組合員の誰かが困ったときに、他の組合員が全体で助けるという仕組みになります。
この共済の組合員になることで、共済の保障に加入できます。
新しく組合員になられる方へ(出資金について)
こくみん共済 coop は消費生活協同組合法にもとづき、非営利で共済事業を営む生活協同組合の連合会です。
生活協同組合は、組合員の参加により運営されており、出資金をお支払いいただければどなたでも都道府県生協の組合員となることができ、各種共済に加入できます。
新しく組合員となられる方には、生活協同組合運営のために出資(1,000円以上)をお願いしています(出資金は1口100円で、最低1口以上の出資が必要です)。
こくみん共済ホームページより抜粋
こくみん共済について
全労災の医療保障は複数の医療共済タイプに分かれます。
一つがこくみん共済。もう一つが総合医療共済。ここからさらに派生しています。
こくみん共済は、掛け金を抑えて保障も少額になっており、死亡保障なども付くプランもあります。
総合医療共済は、他社医療保険に似た保障の内容になります。
こども保障タイプ
0歳~18歳までの保障になります。月々の掛け金は1200円。
18歳以降は更新手続きをしない場合、医療保障タイプ(1口)に自動以降されます。
- 入院日額 10000円
- 手術 入院中は50000円 外来は25000円
- 放射線治療 50000円
- 事故通院 2000円
- 契約者の死亡・重度後遺障害 事故300万円、病気10万円
- 死亡・重度後遺障害 事故200万円、病気100万円
- 身体障害 事故90万円~4万円(障害等級による)
こどもさんの保障としていい共済だと思います。
損害保険のケガの補償を契約した場合より保険料が安く、病気の時の医療保障もついていますので傷害保険よりおすすめです。
年齢によって掛け金が変わりませんので、学生になってからの加入でも同じです。
医療保障タイプ
18歳~64歳の健康な方が加入でき、満80歳まで続けることができます。
60歳~64歳は保障額が半分になり、一部は保障が変わります。
18歳~59歳の保障(2口 掛け金月々2300円)
- 先進医療を受けたとき 最高1000万円
- 入院したとき 日額10000円(日帰り入院も保障されます)
- 手術を受けたとき 60000円
- 放射線治療を受けたとき 60000円
- 通院したとき 日額2000円
- 死亡・重度後遺障害のとき 50万円
60歳以降は65歳、70歳と保障額が変わり、70歳以降は2口加入でも入院日額1500円となりほとんど保障がないようなプランになります。
(手術・放射線治療の保障もなくなります。)
掛け金は同じ2300円のままで、保障がほぼ入院日額1500円だけでは加入している意味がありません。
私なら60歳までの定期保障としても他社の医療保険を選びます。
手術の保障額が低い点、通院保障は交通事故・不慮の事故のみで、不慮の事故は14日以上の通院のみが対象となる点が残念な部分です。
総合保障タイプ
こちらも18歳~64歳の方が加入できるタイプです。
85歳まで更新できますが、他の共済タイプと同じように保障額がどんどん下がっていきます。
医療保障の部分を重視したい場合は、他社の医療保険と定期死亡保険をおすすめします。
共済の総合保障タイプには、入院保障しかありません。(交通事故の場合のみ気持ち保障が付いています。)
死亡保障を重視される場合は、割り戻し金もあり、医療保障もついてきますのでお安くいい定期保障でしょう。
終身医療タイプ
こちらの終身医療タイプは15歳~80歳まで加入することができ、保険料が上がることなく終身かけ続けることができます。
- 先進医療を受けたとき 最高1000万円
- 入院したとき 日額5000円
- 手術を受けたとき 50000円
- 放射線治療を受けたとき 50000円
40歳男性で2700円 40歳女性で2520円。
50歳男性で3640円 50歳女性で3240円。
入院は日帰り入院から対象となり、最高60日分まで保障されます。
ただ、おすすめできる医療保障ではありません。
例えば、あいおい生命の医療保険40歳女性で、8大疾病無制限の保障を付加しても2038円です。
あえて、こくみん共済の終身医療タイプを選ぶには魅力が少ないです。

傷害タイプ
0歳~79歳までの方が加入できます。(60歳以降は保障削減)
月々の掛け金は1000円です。
- 入通院 日数や部位症状で3000円~18万円
- 長期入院 18万円
- 携行品に損害が生じたとき 最高30万円
- 死亡・重度の障がいが残ったとき 500万円
- 身体に障がいが残ったとき 20万円~450万円
この傷害タイプの共済も年齢によって減額されますが、他社には減額されないケガの保険があります。
多くの他社商品は入院通院の日数によって支払われる金額が変わりますが、この共済の傷害タイプは部位や症状によって変わります。
例えば腕の骨折で入院した場合、52500円が一時金で支払われます。
個人賠償プラス
月々200円で各タイプに付加することができます。
[対象となる主な事例]
日本国内において、日常生活における偶然な事故により、他人を死傷させたり、他人の物を壊したりしたことで被共済者が法律上の損害賠償責任を負った場合、または、居住する住宅の所有・使用・管理に起因する偶然の事故で被共済者が法律上の損害賠償責任を負った場合に共済金をお支払いします。
こくみん共済ホームページより
内容は主に個人賠償1億円となりますが、他社では同保険料くらいで上限3億円まで補償されますし、自動車保険に付加すれば無制限に加入できます。
がん保障プラス
18歳~49歳の方が加入でき、65歳まで続けることができます。
ただし、60歳以降は保障がほとんどありません。
月々は1400円になります。
- 悪性新生物(初回のみ) 100万円
- 上皮内新生物(2年に1回) 10万円
- がん入院 日額5000円
- がん手術 25万円
- がん放射線治療 25万円
- 死亡・重度の障がいが残ったとき 10万円
がん保障プラスは掛け金が決まってますので、年齢によって変わりません。
他社の定期がん保険と比べますと、若いうちは他社の方が保険料が安く、中年以降はがん保障プラスの方が掛け金が安くなります。
加入される年齢によってはこくみん共済のがん保障プラスか、他社がん保険かおすすめが異なります。
ですが、終身保障や手厚いがん保障を希望される場合は、他社がん保険を検討してください。

まとめ
新しくなったこくみん共済の保障について考察しましたが、特に他社医療保険やがん保険より優れた保障はないように思います。
割り戻し金が魅力的と思われる方や、50歳くらいで10年だけ保障が必要な方など一部の方にはおすすめできそうです。
定期保険と割り切ってかける以外は他社の保険がよさそうです。
ただ、手頃な掛金で、年齢・性別にかかわらずムリなく加入できることはとてもいいことです。
他社と比較しながらご検討してみてください。
終身の医療保障を希望される場合は見直しを。
65歳くらいまでの定期医療保障としても、低い保障額に注意。
終身医療保障タイプ加入済みで、割り戻し金が魅力ならOK。